西嶋を冷めた目で睨み付け、冷たく吐き捨てる。
「一条さん?」
西嶋は俺を見て震えていた。
今更後悔しても遅い。
俺のものに手を出した報復は受けてもらう。
女だからといって遠慮はしない。
俺が直接お前を傷つける事はない。
ロシアとの契約もあるし、警察沙汰にはしない。
だが、お前のこのフォークで俺が自分の顔を傷つけたらどうする?
「俺の地位がいいの?それともこの顔?」
自分で思ってる以上に冷たい声が出た。
俺の言葉に、西嶋は怯えながらただ目で頷くことしか出来なかった。
「そんなにこの顔がいいんだ?そう」
西嶋を冷ややかに見据え冷笑する。
そして、持っていたフォークで躊躇うことなく自分の頬に傷をつけた。
ジワジワと頬から血が出るのが鏡を見なくてもわかる。
怒りに支配されているせいか、痛みは感じない。
「こんな傷ものの顔でも?くだらない」