「……まじかよ。あんな大人しそうなのに。お前に毒されてんじゃないか」
信じられないという表情で俺を見る。
「失礼だな。お前、俺を何だと思ってるのかな?」
「鬼畜で悪魔なえせ王子」
間髪おかずに答えるこいつの発言に苦笑した。
また随分な言われようだな。
「佐久間、ボーナスカットしようか?」
意地悪く言えば、こいつはギロッと俺を睨みつけ口を尖らせた。
「暴君だな。上司ならちゃんと評価しろよ」
「部下のつもりなら、その暴言なんとかしたら?」
冷ややかに言うが、俺の悪友は反撃する。
「朝からキスの余韻に浸ってる奴に言われたくないな。お前、ニコニコし過ぎてて逆に怖いんだけど」
「ひがむなよ。お前も彼女作ればいいだろ。毎日仕事ばっかりで人生虚しくないか?」
上から目線で言う俺を佐久間は罵った。
「この色ボケ!一週間前までお前も俺と同じ身分だったろうが」