佐久間が作ったプレゼン資料を見ていたら、なぜか彼の視線を感じた。
「何?」
書類から顔をあげて尋ねると、佐久間は呆れ顔で自分の口元を指差して俺に教えた。
「……口紅、まだついてるぞ」
「ああ」
表情を変えずに芽依とさっきキスした時についた口紅をハンカチで拭う。
全部拭き取ったつもりだったが、まだ残っていたらしい。
ロシア大使館のパーティの二日後、俺は芽衣を手に入れた嬉しさから内心かなり浮かれていた。
いつもならそんなミスはしないが、今日は姉の化粧品を使ったからだろう。落ちにくい口紅だったようだ。
「なんか信じられないくらい幸せボケしてないか?オフィスでやるのはやめとけよ。気づいたのが俺で良かったな」
「やられたのは俺。お前から東雲さんに注意出来る?」
さっきのキスを思い出し、フッと笑みを浮かべる。
俺の言葉に佐久間は驚いたのか、目を見開いた。
「何?」
書類から顔をあげて尋ねると、佐久間は呆れ顔で自分の口元を指差して俺に教えた。
「……口紅、まだついてるぞ」
「ああ」
表情を変えずに芽依とさっきキスした時についた口紅をハンカチで拭う。
全部拭き取ったつもりだったが、まだ残っていたらしい。
ロシア大使館のパーティの二日後、俺は芽衣を手に入れた嬉しさから内心かなり浮かれていた。
いつもならそんなミスはしないが、今日は姉の化粧品を使ったからだろう。落ちにくい口紅だったようだ。
「なんか信じられないくらい幸せボケしてないか?オフィスでやるのはやめとけよ。気づいたのが俺で良かったな」
「やられたのは俺。お前から東雲さんに注意出来る?」
さっきのキスを思い出し、フッと笑みを浮かべる。
俺の言葉に佐久間は驚いたのか、目を見開いた。