その時が待ち遠しかった。
それから、教会の前でベールガールの女の子たちが薔薇の花びらをまいてくれた。
花びらがひらひらと宙を舞い、私の純白のドレスの上に落ちる。
ピンクの花びらがとても綺麗。
一通り写真を撮ると、車で瑠偉さんと一緒に古城まで移動した。
目に飛び込んできたお城は湖のほとりにあって、おとぎ話に出てくるような素敵なお城だった。
三百人ほど出席者が集まり庭で食前酒とオードブルを頂いていると、やっと日没になった。
「この城、お前の親父さんのだって?」
佐久間さんがシャンパンを飲みながら、お寿司をつまんでいる。
「親族が所有してたらしいけど、管理に困って親父が譲り受けたらしい。でも、それが最近の話だから。タイミングバッチリだろ?」
瑠偉さんの言葉は意味深だ。
「まさかお前らの結婚式のために、この城買ったって事か?」
瑠偉さんの言葉に佐久間さんがぎょっとして、目を丸くする。