始まりはあの甘美な夜。
でも、部下として仕事を一緒にして、同じ家に暮らして同じ時を過ごして、今はあの時の何百倍も彼の事が好きになってる。
毎日胸のドキドキが止まらない。毎日あの顔を見ているのに慣れることがない。
今だって、彼を愛してると言うのにかなり命懸け。
彼の手が私に触れるだけで私の心臓の鼓動は早くなるのだ。
本当、あそこまでハンサムだと罪だと思う。
ベールガールの女の子たちもまだ四－六才ぐらいなのに、瑠偉さんを見て王子さまだと言って騒いでいた。
でも、彼は私の王子さまだ。
そう私だけの。
私の王子さまは、極上の笑みを浮かべている。
瑠偉さんの元まで歩くと、彼が私の耳元でそっと囁いた。
「キレイだよ」
彼の言葉に、思わずボッと顔に火がついたかのように赤面する。
私のそんな様子を見て、彼の目は楽しげに笑っていた。
確信犯だ。
この余裕の笑顔……ズルすぎる。