八時に会社に着くも今日はひとりで出勤した。
昨日、オフィスでキスなんて大胆な行動をしたのに、私の心はすっかり怖じ気づいてしまった。
やっぱり私は彼にはふさわしくないんじゃないだろうか。
瑠偉さんと顔を合わせるのが嫌で、昨日は定時きっかりに帰宅した。
でも、彼の頬の傷が心配だったので、目立ちにくい絆創膏と消毒薬を彼のデスクの上に置いておいた。
デスクに置いておけば、彼も帰宅前に処置するだろうと思って。
携帯には彼からの留守電とメールが二件ずつ来ていた。
どれも大丈夫か？と私を気遣う内容。
折り返し電話する気にはなれず、【社内の噂がすごいので今日は家に帰ります】とメールを打った。
すぐに【了解、おやすみ】と返信メールがきたけど、このメールを開くのにどれだけ勇気が必要だったか。
スマホの電源を切って見るのを止めようと何度も思った。
昨日の西嶋さんとの会話、瑠偉さんはどこから聞いていたんだろう？