あたしという人間は
自分でも嫌になるような奴で

小さいときからだった。
何をやっても上手くいかないから

いつの間にか、自分を諦めちゃったのかも知れないって思う。


あたしには、お母さんしかいなくて、

お父さんは知らない。

お母さんは、あたしに興味がないみたいで、運動会は家族がお弁当と、カメラ持って応援しにくる友達が堪らなくうらやましい日だった。

そんなあたしにも
家族がいる。


独りぼっちのあたしといつも一緒にいてくれた

ルキ



ルキは傷ついた子犬だった。

後ろ足に切られたようなケガ
痩せ細った体。

虐待でも受けたのだろうか?


あたしが近寄ると逃げようとした。


動かない後ろ左足を力いっぱいひきずって、


あたしの方を怯えながらも睨んだように感じた。

そして


近寄るなとでも言うかのように



力無く吠えた。



可愛いげない犬


ほっとこうかとも思ったけど、あたしはどうしてもルキのそばから離れられなかった。