そう言って外人は腕をぱっと広げたので、飛び退いて再び竹刀を構えて睨んだ。

 この外人、何をするのか分からないんだもの。

 警戒する私に向かって、外人はゾクリとするような、それはそれは綺麗な微笑みを見せた。

「もう何もしねーって言っただろうが。しかしお前、かなり気が強いな……うん、よし合格だ。お前、俺を手伝え」

「は!? 合格? 手伝え? 何言ってんの!」

 全然意味が分からない。何なの、コイツ。あやうく殺されかけたところなのに。そんな人のことを手伝うワケないじゃない。

 ありったけの気力を込めて睨み付け、この場から逃げ出すタイミングを探す。

 いつの間に弓を片付けたのか分からないけれど、地面にはもう何も落ちていない。これなら、隙をみてダッシュすれば逃げられる。

 外人は、綺麗な笑顔のままスーッと目を細める。

 止めてよね。その顔、滅茶苦茶怖いんだから。

「簡単な失せ物探しだ。ここら一帯に落とした精玉を探す。お前は、その助手に任命してやる。聖なる天使様の仕事が手伝えるんだ、ありがたく思え」

「は? セイギョク? ウセモノ?」