にこにこと笑って手を振る春川さんが、だんだん小さくなっていく。

 オレンジ色から闇色に移り変わっていく空を飛びながら、アクマ天使は「帰りも送る。絶対待ってろよ」と言った。

 ……四六時中一緒っていうのは、やっぱり本気なんだ。

 ひんやりとし始めた空気の中、地上を見下ろす。

 明かりがつき始めた家並みは穏やかだけど、この中のどこかに、あと八個も精玉が隠れているんだ。

 もしかしたら、何個かは人に憑いちゃっているかもしれない。

 私の生まれ育った街。パパが大好きだった街。いつもは小さくて狭いと思っているところだけど、小さな玉を探すには、広すぎる。

 何だか、焦る。一日中探しまわれたらいいのに。