いっつも、本当に手加減がないんだから!
さっさと玉を見つけて、早く天界に帰って貰わないと。アクマ天使だって普段の仕事放り出してここに来ているんだろうし。
……仕事、か。
「ねぇ、あのさ。一個、訊いてもいい?」
「何だ。答えるかは、モノによりけりだぞ」
「天使って、いつも何の仕事してるの?」
「色々だ。人間界でも色んな仕事があるだろ。天界でも同じだ」
「やっぱり、亡くなった人の魂を天国に案内したりするの? やったことある? 私の身近な人が、天国に行ったと思うんだけど」
映画やアニメで見たことある。命が尽きた人を迎えにくるところを。キラキラピカーと天から光が降りて来て、天使が優しく手をさしのべる。
「いや、俺の仕事は違う。女神の護衛だ」
「へぇ、女神様の? スゴイ! 本当にいるんだね! やっぱり綺麗なの?」
「普通だ。お前とどこも変わらん」
「私と? 嘘でしょ。そんな筈ないよ。女神様だもん」
アクマ天使は腕を組んでそのまま黙っていて、後は何を聞いても答えない。天界のことは、人には言えない秘密が多いみたいだ。