私の気合の入った声と、祠に矢が当たった音と、竹刀の音が重なった。
一歩遅れて外人の弓が下に落ちる音を聞きながら、私は、目映いほどの光りに包まれているのを感じた。
……ああ、もしかして、私、矢が当たって死んだの。
でも、おかしい……なんか、息苦しい?
死んだら息をしないはずで……ということは、まだ生きてる!?
カッと目を開いたら外人の腕の中にいて、しかもぎゅーっと抱きしめるようにされていて、動くことができない。
絞め殺す気??
「何すんの! 離してよっ!」
声がくぐもってしまって、ちっとも迫力が出ない。唯一の武器である竹刀は、接近戦には向いていないし、いったいどうすれば。
「離してってば!」
焦ってじたばたと暴れてみるけれど、力が強くて外人の腕は微動もしない。片腕一本のくせに、なんて馬鹿力。
こうなったら! と、目の前にある外人の胸に、思いっきり歯を立ててやった。
「うあぁっ、いてっ」
腕が緩んだ隙に、竹刀を二人の間に挟み込み、鍔で噛んだ部分をぐりぐりと押してやる。少しでもダメージを加えるのだ。
「ちっ、気がつえーな。くそ痛ぇ……うおっ、また噛むな! 止めろって! おい、暴れんな! もう離してやるから! もう何もしねーよ」