そんなもんだろって、結構ざっくりしてるんだ。それだけ在り処が分かりづらいってことなのかな。
でもあと八個もあるなんて、その中には今日みたいな悪玉もある筈。
もしもそれが、一気に人に憑いちゃったら、どうなっちゃうの? あっちもこっちも大騒ぎになって、大変なことになっちゃう。
「ね、さっき見つけた精玉って、何だったの? どうして瑠璃菜に憑こうとしたの」
「あぁさっきのか。アレは、コレだ」
アクマ天使が袋の中から玉をひとつ取り出した。
「あれ? 今は、全然黒くないね」
手の平にあるのは、善玉と変わらない半透明な玉だ。
これがさっきの、暗黒世界から抜け出たような不気味な悪玉なの?
もしかして、アクマ天使が持ったから浄化されたのかな。あのとき息が苦しくてはっきり聞いていないけれど、呪文みたいなのを唱えていたから。
「コイツらは、対象を見つけて羽が生えると黒くなるんだ。俺には分かるが、お前には善悪の見分けがつかんだろう」
アクマ天使が、昨日捕まえた精玉も出して隣に並べた。
「うん、分かんないよ」