「この子の名前。今私がつけたの。ほら気に入ってるみたいだよ。ね、ぴぃちゃん」
笑いかけると囀るから、本当に嬉しそうに見える。
「餌をお持ちしました。はいどうぞ」
袋ごと持ってきた春川さんは、ひとつまみの餌をテーブルの上にぱらぱらと置いた。
ぴぃちゃんをテーブルの上に乗せると、美味しそうについばみ始める。一心に食べていて超可愛い。
そういえば、鳥籠はないのかな? アクマ天使が家にいない間は、どこにいるのかな。
「ぴぃちゃん。家が欲しい? 私の家にあるの、持ってこようか。可愛いのがあるんだ」
餌をついばむところを見ていたら、前の席にアクマ天使がドカッと座った。
「この辺りに落ちた玉のおおよその数が分かったぞ。一応、お前にも教えておく。約十個だ」
「そんなにあるの? こんな狭い街に?」
「今ここに二個あるだろ、残りは八だ」
アクマ天使はチカチカ光る袋をテーブルの上に置いた。
「アレは自在に動き回る。多少の増減があるが、上層部の話じゃ、多分そんなもんだろってことだ」