スマホを取り出して時間を見てみる。
塾まではまだ余裕があるから、いいけど。今日は学校が終わったら、まっすぐ山の上神社に行く予定だったんだけどな。
だって、ナビっちの一日一個の玉探しは終わったし、アクマ天使の顔を見ると、どうにもムカッとするんだもん。素振りをしてスッキリしようと思ってたんだ。なのに、それなのに。
『逃げんな。四六時中一緒だと言っただろうが』
あっさりサクッと捕まって、校舎裏に連れていかれて、文句言ってる間にきらきらに包まれてふわっと空に舞い上がって……今に至る。
「あ、リクトール様もカルピス飲みますか?」
「いや、俺はいい。それより、コイツの餌をくれ。腹が減ってるらしい」
部屋に入って来たアクマ天使の肩に乗ってる鳥が、羽をバサバサ動かしながら鳴いている。
「ね、その子の名前なんていうの?」
「名前か、特にねぇな。強いて言うなら〝鳥〟だ」
「それじゃ、ぜんぜん可愛くないじゃん。ペットなのに、愛情が足りないよ。おいで。ぴぃちゃん」
呼び掛けながら人差し指を鳥の前に差し出すと、ちょん、と乗り移って来た。
「ぴぃ? 何だそれは」