理由はうやむやで納得出来ないまま、一つ一つ教室の中を覗いて行く。
商店街よりは物が少ないから探しやすい。だからなのか、アクマ天使の歩くスピードが速い。
教室内を一回り見ただけで、次の教室に行く。そうやって同じ階にある最後の教室を覗いたところで、チャイムが鳴り始めた。
急いで教室に戻って授業を受け、終わればまた探しまわる。それを繰り返していると、あっという間に時間が経って、昼になった。
「見つからないなぁ」
教室でお弁当を食べながらぽつんと呟く。
ここは窓際の席。校庭では、楽しそうにサッカーボールを蹴ってる男子達が見える。
本当に学校の中にあるのかな。今のところ変な行動をしてる人もいない。それはいいことなんだけど、兎に角早く見つけないと。
それなのに、肝心のアクマ天使がいない。どこに行ったのか。
『お前は、俺が呼びに来るまで弁当食ってろ』
そう言い置いて、どこかに行ってしまったのだ。