なのに、どうしてこんなことするの? 

 ぷぅっと膨れて見上げると、アクマ天使は両方の頬をぎゅぅっとつねってきた。

「い、いひゃいっ」

「いいか。しっかり聞け。お前は俺の助手。命じるのは俺。指示するまで絶対動くな離れんな。分かったか」

 ぐりぐりとつねりながら、真剣な顔で言う。

「ひゃい」

 分かりました~。だから、手を離してください~。

 痛みで涙が滲む目で訴えると、すっと手が離れた。

「先ずはこの階を探す。次に下だ。文句は、言わせない。行くぞ」

 すかさず私の手首を掴んだ。もう片方の手の中には、ナビっちがある。そうか、ナビっちがいないと探しにくいんだ?

「ね、ナビっち、もう一個ないの? 私も持ってた方がいいと思うんだけど」

 いつも一緒にいる訳じゃないし。一人でいる時にも探せたら、その方が良いに決まっている。

 訊きながらひりひりする頬を摩った。まったく乙女の顔に何てことするの。

「ナビは一個だけだ。まぁ、例えあったとしても、お前には、絶対渡さねぇ」

 やけにきっぱりと言う。

「な、何で!?」

「何でもだ。ほら、探せ」