より一層輝く光が辺りに広がっていき、通報を受けて商店街に来たパトカーも、バイクに乗ったお巡りさんも、もさ髪男も、女の子も、騒ぐ人達も、みんな光に包まれていく。
人も建物も消えてしまうほどのまばゆい光。それが消えた時、商店街の中はいつも通りのざわめきに戻っていた。
今さっき起こった事件などなかったかのように、みんな普通にしている。
金物屋のおばちゃんも、女の子も。駆けつけた警察官は自然にパトロールに戻る。
そんな中、もさ髪男だけは、頭を抱えていた。
初めてにしちゃ上出来だと、アクマ天使は綺麗な顔で笑う。
昨日は金髪だったのに今は黒髪だったりとか。突然学校にいて、しかも彼氏になっていたりとか。精玉のこととか。今の状況を変えちゃったりとか。分からないことが多すぎる。いろいろ、説明がなさすぎる。
だから。
「ちゃんと、全部、詳しく話してよね!」
もさ髪男をやっつけたときの勢いそのままで、ビシッと言い放った。
「あ? 説明しただろうが。あれ以上に何が要るんだ」
キッと睨んで言ったのに、アクマ天使は悠々と見下ろしてくる。
しかもメガネがぎらっと光って、とんでもない迫力を放っていた。
「うぅ、んぐ」