アクマ天使が吐き捨てるように言うと、堕天使は、ぱっと空を見上げた。

「編み上がったとは? まさか……っ!」

「もう逃げられませんよ」

 すーっと降りて来た大天使たちが、堕天使を囲んだ。

「堕罪の檻か……」

「はい。場所が人間界の為手間取りましたが、ようやく出来あがりました。ルーブル元大天使長、神の命により、あなたを捕獲します」

「待ちなさい! きみらは私の部下でしょう!」

 堕天使が風を起こそうとすると、金色に輝く鎖が現れて、蛇のように体に巻き付いた。

「最早あなたの部下ではありません! 問答無用です!」

「〝クアプチャス〟」

 大天使たちが声を揃えて呪文を唱えると、光輝く透明の筒状のものが、ヒュン!と落ちて来た。

 それは一瞬のうちにカプセルみたいになり、中には狂ったように叫ぶ堕天使が入っていた。

「元大天使長ルーブル。神の裁きを受けていただきます」

「あれが、堕罪の檻?」

「堕罪の檻は、大天使様にしか、編み上げられないと聞いています」

 檻と一緒に、大天使が空を上がって行く。それをぼーっと見ていたら、アクマ天使に体を攫われた。

「大修復が始まる。巻き込まれるぞ」