「アカリさん、早く、もう一発です! 悪玉を体の外に出してください!」
「あ、はい! やあぁっ!」
胸を押さえながら立ち上がろうとするチャラ男Aの頭を、ベシーンと叩いた。
「ぐわあああぁぁぁーー」
カッと目を見開いて、断末魔のような叫び声を上げるその口から、ぽん、と玉が飛び出て来た。すかさず、サナダがチカチカ光る袋を被せて取る。
「へえ、すげえな。アカリちゃん、結構やるじゃん。よし、あっちのは、俺に任して!」
事態を見て逃げていくチャラ男Bを、ニイヤマが猛スピードで追いかけていった。
「サナダさん、どうしてここに来たんですか?」
「ぴぃが、呼びに来たんです」
ぴぴ、と囀ずるぴぃちゃんが、サナダの肩にとまっている。暴風の吹く中を、知らせに飛んでくれたんだ。
「ありがと、ぴぃちゃん」
「この人達は、魔族に命令されてアカリさんを探していたのでしょう。印が復活していて、本当に良かったです」
チャラ男Aは、大の字になって伸びている。気を失っているみたいだ。
「大丈夫、すぐに気付きます」
「サナダさんたちの仕事は終ったんですか?」