ふらふらで膝が笑う。体力の限界なんかとっくに来ている。

 どれだけ時間が経ったのか。どれだけ玉を受けたのか。

 竹刀がボロボロに割れて、ささくれだってきた。

 腕が鉛のように重い。

 それでも、飛んできた二個の土玉を、力を振り絞って弾いた瞬間、ミシィッと哀しい音がして、竹刀は折れ曲がった。

「とうとう……壊れちゃった……パパの、竹刀」

 竹刀と一緒に心も折れる。

 もうダメ、かも。

 パパ、もう動けないよ。

 今にも崩れ落ちそうな体を、折れた竹刀でなんとか支えた。

「もお、おじまいがぁ?」

 汗が目に入って視界が霞む。

 腕が上がらない。

 ずんぐり魔族が近付いてくるのが分かる。

 けど、逃げたくても、もう脚が動かない。

 手のひらの感覚もない。息が苦しくて肺が破れそうだ。

「あ……ダメ……そっちは。ダメ。あの子たちがいる……」

 最後の力を振り絞って、ずんぐり魔族の足を掴んだ。

「ごらぁ、はなぜぇ」