アクマ天使の手には、鳥の形をしたソフビのマスコットがある。

 ゆるキャラにいそうな感じで、色は白。

 手の平半分くらいの大きさで、「ミツケタヨ。ミツケタヨ」って言いながら、小さな翼をぱたぱた動かしている。おまけに、お腹辺りがピコンピコンと赤く点滅している。

「やだこれ、ラブリーすぎるぅっ」

「コイツは『見付け鳥』人間界の言葉で言えば、ナビだな。コイツがこの状態なら、一個目の精玉が近くにあるってこと。だからお前も探せ」

 そうしねぇと、帰れねぇぜって、すっごく意地悪く言う。

 けれど、どんなものかも分からないのに、探せないよ。ぶーぶー文句を言ってやる。助手に任命したくせに、あんた、まるっと思いっ切り説明不足だよ。

「単純だ。善玉系は白い羽、悪玉系は黒い羽が生えてる。この商店街のどこかに紛れてるんだ。見りゃすぐ分かるぞ」

「えー、それだけ? もっと、小さいとか大きいとか、他に特徴がないの?」

「天使体の俺が見えたお前なら、簡単に見えるぞ」