「よし、それでやってやる。おしえろ。でも、おれたちにはむりだとおもったら、ゆみでしょうぶだぞ!」

「分かった、そうしようね。あのね、ルールは簡単なの。まず、外に出るんだ。それでね……」


 三人と一緒に部屋の外に出て、庭のほぼ真ん中辺りにある、大きな木の根元に立つ。

「じゃ、お姉ちゃんが、目を隠して、数を十まで数えるから、みんなはその間に隠れてね」

 三人とも目をキラキラさせて大きく頷いている。遊びが楽しいのは、どの世界でも一緒なんだ。三人にとっては、真剣勝負なんだけど。

「じゃあ、開始! いーち、にー、さーん、しー」

「ばらばらにいこうぜ」

「よし、おれはあっち」

「きゃー、はやくにげなきゃ」

「ぜったい、つかまんなよ!」

「まかせとけ!」

 口々に叫びながら、軽い羽音をさせて方々へ散った。

 勝負は『隠れ鬼』。私が鬼になって、三人とも見つけて捕まえたら勝ち。

 隠れられる場所は範囲を決めた。建物の中と裏側は禁止。私の手の届かない所へ逃げたら、その子はその時点で負け決定。一人だけ飛べない私の為に作ったハンデだ。

「よーし。探すぞ~!」