ピーピー..............................ピーピー...............................ピーピー。





「...............................ん」



「葉月..っ.....?」
目を覚ますと私は白い光に包まれて、その周りには数人の影が見えた。



そして微かに聞こえるのは、何かの電子音。
一定の間隔で鳴っていた。


そして誰かの声が聞こえる

「葉月ッ!!!!!!!!!!!」
女性は泣いていた。


白い服をきた背の高い男の人は酷く驚いていた。



「本当に良かった」
男性は安心していた。


そしてその女性は私を見て涙を零していた




だけれども




「...........................................私、分からない」
これが私の第一声だった。







そう








私はそのとき記憶をなくしていた。

その場にいた人達は、ぽかりと口を開いたまま顔が空間に凍りついたようになっていた

そのときの沈黙と空気を思い出す




ただただどうしようも無い空間が居座っていたことも





でも.......今更どうして?



ずっと忘れていたはずの過去の記憶が蘇ってきたみたいだった


そして、これは私が5歳の頃だった。


母からの話によると、当時私は公園に遊びに行っていたらしい。


なかなか帰ってこない私を探しに行こうとしているとき、1本の電話がかかってきた。


それは、病院からだった




その電話を聞いた母はすぐにその救急搬送された病院へと向かったらしい。


私は「もう助からない 」って言われていたそうだ。



自分でさえ、この奇跡が未だによく分かっていないみたいだ





・・・・・・・・・・。



いつの間にか、私は道の途中で頭の抱え込んでいた。
そして気づけばもう6時を回っていた



「早く帰らなきゃ」


私は立ち上がって再び家へと向かう。

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「おやすみ」