「仁那それ大丈夫か!?」

「え?なにが?」

「大月さん、お前に気があるとかじゃ……」

「えぇ!?ないない!そんなわけないよー!私なんかに興味ないでしょ」


神奈の贔屓目が発動して笑い飛ばす私を、神奈がまだ焦った表情を崩さずにさらに心配してくる。

「お前な……それは」

「それに、取材のとき私野暮ったい格好で行ってたんだよ?誰が()(この)んでそんなダサイ地味な女に声かけるのよ〜、もう相変わらず神奈は心配性だなぁー」

「ほんとにか?取材のときあの変装スタイルだったんだな?」

「ほんとほんと!場所が事務所だったからちゃんと変装して行ったよ」

「まあ……それなら大丈夫か」

心配性の神奈がようやく納得するほどの、あの変装スタイルはどれだけダサくて変なのかを改めて実感する。


「それでも、仁那は警戒心のカケラもないから俺としては心配だけどね」

やっぱり私のこといつまでも高校生のときのイメージ引きずってるんじゃ、と疑いたくなるくらい子供扱いしてくるのにむくれていると、

「そういう意味じゃないよ」

と意味不明なフォローをしてきた。