菊花100年。

二ホン国は、毒に悩まされていた。

毒は国内全土を支配し、海外から訪れた者は次々と帰国、企業も人手を失い撤退したため、二ホン国は圧力と感染拡大防止のため鎖国を余儀なくされた。

人々は、皮肉にも経済を担う六家という柱を失い、そして服毒者の襲撃に怯えて暮らしていた。文明は衰退し、二ホン国は完全に毒の島となりつつあった。

しかし、二ホン国にはまだ希望があった。

服毒者によって襲撃が行われ、鎖国が完成したころ、服毒者に立ち向かうべく立ち上がった男がいた。

彼は服毒者を隔離するための病院、地下牢、研究室を作り、残っていた文献から素早くライフラインを立て直したのだ。

彼を支持するものは多く、次期皇帝へと主張する者もいたが、その夢は突然にも終わりを迎えた。

服毒者による襲撃である。彼はあっけない死を迎えたが、その遺言により二ホン国には大きな安堵と平和が生まれた。

そして―。