文夫の番がどうにか終わった次は、ミヅキの番だった。


ミヅキは止血されたものの、まだ痛みで横たわっている。


「ミヅキ、大丈夫か?」


そう声をかけると、ミヅキはようやく上半身を起こした。


子鬼の手によって包帯を巻かれた耳が痛々しい。


「大丈夫だよ……」


それでも、体を動かすと傷が痛むのか顔をしかめる。


「ミヅキ、一緒に行こう」


綾がそう言い、ミヅキに肩を貸した。


「ありがとう」


ミヅキは少し照れたようにそう言い、素直に歩き出した。


あんな状態でなにを披露するつもりなのだろうか。


せめて、最低点だけは出さないようにと願った。