ミヅキの止血をしている間に、広間の中央にあった観覧車は片付けられていた。


代わりに、広間の端に長いテーブルが置かれ5人の子鬼がパイプ椅子に座ってスタンバイしている。


「今度は子鬼たちによる審査制だ。不公平がないように、くじ引きで順番を決めるからなぁ」


鬼がそう言うと同時に、子鬼の1人が割り箸を持ってやって来た。


割り箸の下は子鬼がギュッと握って見えないようになっている。


そこに番号が書かれているのだろう。


俺はゴクリと唾を飲みこんで綾を見た。


綾は不安そうな、緊張したような表情をこちらへ向けている。


最初に割り箸で作ったクジを引いたのは文夫だった。


ジッと待っていられなかったのか、自分から手を伸ばす。


その割り箸に描かれていた数字は3番だった。


文夫の表情は少しだけ和らぐ。


一番じゃなかったことにホッとしているようだ。


後でもなく、先でもない方がいいに決まっている。


みんながどんな特技を披露するかはわからないけれど、真ん中辺りを引いた方が安心感がある。