綾は1人で集中治療室にいた。


沢山の機械に囲まれ、沢山のチューブに繋がれて。


本来は身内しか出入りできないその空間に、俺は無理を言って入れてもらっていた。


「綾……」


綾は固く目を閉じている。


綾はまだあの夢を見ているのだろうか。


鬼と子鬼に囲まれて、ひどく怖い思いをしているのだろうか。


「綾、ごめん。俺綾を守りたかったんだ……」


俺は綾を助けていると思っていた。


最後まで残っていれば生きていく事ができると思って疑わなかった。


だけど、逆だったんだ。