──…お昼休み。

食べ終わったお弁当を片付けた私は、スマホを取り出して結愛ちゃんに見せていた。


「リソウカレシ、とりあえずやってみようかなって…私こーゆう設定とか苦手だから、結愛ちゃん見ててくれる?」

「もちろん!美恋もついに乙女ゲームデビューだね!」


任せて、と元気良く笑う結愛ちゃん。

可愛くて明るくて、私とはまるでタイプの違う女の子。
それでも結愛ちゃんと私は小学校からの付き合いで、結愛ちゃんは私にとってのお姉ちゃんのような人だ。


「…よし、いきます」


何はともあれ、まずはメールに貼られていたリンク先をタップする。


──…と、次の瞬間、私のスマホの画面中央に【インストール中】の文字が浮かびあがった。


てっきりApp Storeとかに飛ぶと思ってた私と結愛ちゃんは、思わず顔を見合わせる。


「…え!?あっどうしよインストールされちゃった!」


心の準備も何もしていなかった私は、焦って声をあげる。

結愛ちゃんは不思議そうに首を捻った。


「何か手順すっ飛ばした感あるけど……まあヤバかったらアンインストールすればいいし、手数料不要って書いてあったから大丈夫だよ」