「──……あ、そういえばね、昨日変なメール来たんだ」
そしてカレシ、の響きに思い出したことがあって、私はスカートのポケットからスマホを取り出した。
「変なメール?」
キョトンと目を瞬かせた結愛ちゃんが、興味深そうに私のスマホを覗き込んでくる。
私はメールアプリを開いて、それから昨日届いたよく分からないメールをタップした。
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「リソウカレシ?」
メールを読み終えた結愛ちゃんが、こてんと首を傾げる。
ゲームか何かの宣伝かと思ったけど……どうなんだろう。
「リソウカレシをお届け…ってことは乙女ゲームかな?課金とか書いてあるし」
結愛ちゃんもゲームだと思ったらしく、私が考えていたこととほとんど同じことを言ってきた。
良かった。得体が知れただけで少し安心。
「私乙女ゲームとかやったことないけど…楽しいのかなぁ」
現実の男の子と上手く喋れないのなら、ゲームで慣れた方がいいかもしれない。
そんな考えで首を傾げると、結愛ちゃんはにっこり微笑んだ。
「私は結構好きだよ!今やってる乙女ゲームあるんだけどね、めっちゃかっこいい人がいて…」