「洗い物までありがとう」

「ん」

ご飯を終えお風呂から出るとキッチンに真琴くんが立っていた


なんか本当に新婚みたい

なんて一人でウキウキしながら

お風呂上がりの髪の毛を拭く


「梓、髪拭いてやるよ」

え"

「いいよ、拭けるし」

「いいから、ほら」



真琴くんに両腕を広げられる

何その期待に満ちた表情


〜っ

もう!

ズンズンと近寄って真琴くんの前にストンと座る

「ふふ」

「なによ」

「んーん?」


真琴くんの大きな手が髪に触れる

「梓の髪って変わった色してるよね」

「まあこれでもクォーターだからね」

真琴くんの髪は真っ黒でサラサラだよね


「…梓」



不意に呼ばれて振り向く



ふに、と唇が合わさる感触

「なっ!?」

「ごちそーさま」

「ま、真琴くん!!」

「ごめんって」

…う、うう…

この先が思いやられる…


それでも真琴くんの私を見る目が熱っぽくて、愛しいって言ってる

それが心の底から嬉しくて

この人とずっと一緒にいたいと、何度でも思う


「真琴くん」

今度は私が彼の胸ぐらを掴んで引き寄せ、自分の唇と合わせる


うぅ…慣れないことはするものじゃない

真っ赤になりながら目を開けると

目の前の同居人も真っ赤になってる


「ふふ、仕返し」