「…夏休み明けたらさ」



「一緒に登校しようよ」

真琴くんの目が優しく笑う


「誰にも隠す必要なんてない。梓は俺の大切な人だってみんなに知らしめたい」

し、知らしめたいて

「噂だろうが王子だろうが関係ない。俺は学校であの気色の悪いキャラを演じで自分を守るより、梓との時間を大切にしたい」

…真琴くん

「よく考えたらさ、周りの目ばっか気にして窮屈に生きるのって格好悪いなって思ったんだ」

ふふ、そうだね、絶対そうだよ


「馬鹿な噂をたてて絡んでくる奴がいたら俺が潰してやるよ」

潰すって…

ふふ

「必要ないよ。私自分で潰せるから」

「ははっさすが梓、かっくいー」


真琴くんの隣に堂々と立てるようにするのは私の役目

もらうばっかじゃない

好きだと思うなら、一緒にいたいと望むなら

この居場所を自分の力で守る

私のためにね


「それに私には心強い友達もいるから」

最終兵器結花さんとかね

「あーあの黒髪の人?」

お?

「結花知ってるの?」

「知ってるっていうか…まあなんかすごいガン飛ばされるし睨まれるし」

ぶっ

結花…なにやってんの

「梓セコム強すぎて学校では下手に話しかけれなかった」

さ、さすが結花


「だからその人に言っておいて、梓セコムは引き受けるって」

ひきう…!?

「いいよ別に!」

「そうは言っても梓無防備だから」

え、そうなの…?

っていうか何から私を守るのよ…