数日後


「梓ー?今日バイト?」

寝起きの彼が相変わらず寝癖の少ない髪をくしゃくしゃしながら部屋から出てきた

「ううん。結花と蒼馬と遊んでくる」

「んー…え」

「じゃ、いってきま」

ぐえ

「わわっ」

真琴くんが私の腰に後ろから手を回して動きを止められる


「…蒼馬ってやつに会うの?」

「結花もいるよ?」

「でもそいつ梓のこと好きだよ」

う、うぅーん…

「…真琴くんと付き合うことになったって伝えてこようと思ってるんだけど」

「……いってらっしゃい」

ふふ

真琴くんが少し不機嫌にそう言った

「行ってきます!」


いってらっしゃい、だって!

それにしてもだいぶ曝け出すようになったな

数ヶ月前までは考えられなかったよ
あの、甘えっぷり

ふふ

満面の笑みで家を出た