「でも…たとえフランスに行ったとしても、きっと自分の選択を後悔して日本に帰ってきちゃうと思う」
「…え」
「だから、きっと今の私はルイくんに"分かった"とは言えない」
今はもう、言わない
『梓のことなら口うるさく言わせてもらう』
あんなに胸が締め付けられたのは初めてだ
ありがとう真琴くん
鈍い私の代わりに、私のことをわかってくれて
馬鹿な私の代わりに、私を大切にしてくれて
ありがとう
ああ、どうしようか
「…どうしよう私」
お母さんも、おばあちゃんの会社も…
大事にしなきゃダメなのに、分かってるのに
なのに
それ以上に
「私、真琴くんと離れたくない」
「っ!」
自分の本音が溢れたその瞬間
真琴くんの腕が再び伸びてきて、力強く引き寄せられる
そしてそのまま
抱きしめられる