「悪い話じゃないと思うんだけど…」


…会社

そう…ね。会社大きくなってるし…

大事だし…

でも私は…私は

いや…

お母さんのため…

仕事のため…

会社ノ、タメ



「部外者が横から口を入れるのは良くないと思うが、言わせてもらう」



不意に私の後ろにいた真琴くんが口を開いた


「何が悪い話じゃないと思う、だよ。お前の話、さっきから梓のことなんも考えてないじゃん」



「梓の母さんが気兼ねなく仕事できるように?梓の母さんのためにも?
確かに梓の母さんのことを考えるのも大事だけど、そこに梓の気持ちひとつもねえじゃん

梓は何より母さんのこと大事にしてる。そんな言い方されたらこいつは自分の気持ちガン無視してでも了承する。梓はそういうやつなんだ」


…っ


「その会社のことはよくわかんねぇ。でも、悪いけど梓のことなら口うるさく言わせてもらう

梓はお節介だから自分のことなんていつも二の次だ。だから俺が何も言わなければ梓はその話を了承する。

でもお前はそれでいいわけ?梓が大事だとか抜かしておいて、梓の気持ちガン無視して良いのかよ」

「っ…それは…」


「テキトーなこと言ってんじゃねぇぞ」