しばらくそれを見ていた私は深呼吸して言う

「ルイくん。昨日のことは…もういいから」

私の突然の言葉に、手を止めて真面目な表情になるルイくん


「…ごめんなさい」

うん

「ルイくんはモデルやってるんだからそういう業界にいるんだし、自分のためにももっとちゃんと自身をコントロールできるようにならなきゃダメだよ」

「うん…」

「軽い気持ちでやったことが後で自分の首を絞めることになるかもしれないからね」

寂しいなら寂しいと
辛いなら辛いと、ちゃんと言えるようにもね


自分のことを一番わかってるのは自分自身だから

自分の本音に背を向けないで、自分を大切にしてほしい

私も昨日同じようなことで真琴くんに叱られたばっかだけどね

でもだからこそ、説得力があるでしょう


一丁前に説教をした私を真琴くんがじっとりと見つめる

『おまえもな』

と口が動いていた