「桜、いつの間にか大きくなったな」
「ほんと、私と身長変わらないぐらいじゃない?」
そう言って、美咲はゆっくりと体を離し私を見つめる。
時代を感じていたのは2人だって同じだった。
「あの頃、桜はチビだったのにな」
「それひどい!」
りくの言葉に、すかさず突っ込んだ。
「いや、どう見たってお前チビだったじゃん!」
「あー! また“チビ”って言った! もう、りく最低! 信じられない!」
大人になった今でも、私をからかってくるなんて!
「ちょっと、2人とも落ち着いて」
美咲が仲裁に入る。
ほんと、昔となにも変わらなくて、思わず吹き出した。
「ふはっ」
「ふははっ!」
りくも笑う。
つられて、美咲も笑う。
「ほんと、変わらないね!」
私の言葉に、りくは大きく頷く。
「だな!」
3人一緒に過ごしたあの頃がとても懐かしい。