しばらくすると、ノックをする音が聞こえた後、ゆっくりと部屋の扉が開いた。
入ってきたのは、大人になったりくと美咲の姿。
「さくらぁ〜! 会いたかったよ〜!」
美咲が真っ先に駆けつけて私を抱きしめてくれた。
「私もだよ! やっと、美咲に会えた!」
あまりの嬉しさに、私もぎゅっと抱きつく。
大人になった美咲は、レースが付いている水色のドレスを着ていて、それに綺麗な顔立ちをしていた。
「ちょっと、俺を忘れてないか?」
ゆっくりと私に近づくりく。
「ふふっ。忘れてないよ」
大人になったりくは、やっぱりかっこよさが増していた。
あの頃はまだ制服だったのに、今では黒いスーツを着こなせるほどに。