するとまた神崎さんのPCウォッチから反応が。
メールらしくそれを読んだ神崎さんは、急に立ち上がった。

「立花も来い。今辻エレナの事務所から依頼があった。
 落ち込んでいて部屋から一歩も出て来ないし
連絡もつかないらしい。
 怖いから俺らで様子を見てきてほしいらしい」

「えっ?エレナちゃんが!?」

 恋人だった伊藤さんも亡くして落ち込んでいたから
心配していたけど、まさか部屋から一歩も出て来ないなんて……。
 それは、心配だし何か遭ったら大変だ!
 俺と神崎さんは、慌てて教えてもらったマンションに
向かうことにした。

 さすが人気モデルだけあって豪華なマンションだ。
ポログラフ付きインターホンを押すが反応がない。
 もしかしたらと考えたら余計に心配になる。

「もしかしたらと考えて管理人を呼ぶか。
 ちょっと待っていろ」

 神崎さんがそう言い連絡を取ろうとした時
ガチッと応答があった。
 インターホンを見るとポログラフの画面が出てきた。
 あ、良かった……無事だ!

「エレナちゃん。俺ら……立花です!
 神崎さんも一緒に居ます。大丈夫ですか?」

 俺は、慌てて話しかけるとエレナちゃんは、
見るなり涙目になっていた。

「待ってて……今開けるわ」

 そう言うとオートロックのドアを開けてくれた。
セキュリティーもバッチリだ。
 しかし顔色が真っ青だったし表情も暗い。
部屋で泣いていたのかと思うと胸が張り裂けそうだった。

ドアが開くとエレベーターで上がり部屋まで向かった。
 そしてもう一度インターホンを押してドアを開けてもらう。
 するとドアが開いた瞬間エレナちゃんは、
俺に抱きついてきた。
 急に抱きついてくるので驚いてしまった。

「え、エレナちゃん!?」

「私もう……ダメかも。カメラの前で笑えないの…」

涙を流しながらギュッと抱きついてくる。
 それを聞いて俺は、胸が余計に苦しくなるが
不安にならないように抱き締め返した。