(もう学校に居ないのかな…)


そんな諦めの気持ちで、後夜祭の会場のホールに入る。


落ち込むわたしの気持ちとは裏腹に、ホールの中は熱気に溢れていた。


(アイドル科のライブが見られるそれにNO.1アイドルが決まるんだもんね…)



「結衣はどのグループに投票する〜?」

「うーん…わかんない」

「え〜〜!今年の一番人気はね!
“majesty”(マジェスティー)だよ〜!」



「”majesty”…」



「入り口でもらったライブのパンフレットを見る。」



(この子達か…)



『“majesty”(マジェスティー)』

「皇帝陛下」をイメージしたグループ。
派手な演出と衣装、そしてまさに「貴族」のような、華やかなメンバーの
ルックスの高さを売りにしている。


『アイドル科2年生のグループで1年の夏休みの途中から
リーダー「來斗(ライト)」の声かけで始まった。』



(なるほど…)


なんとなく、パンフレットの写真をながめる。

「ん…?」


(この”來斗”くん…九重くんに似てる…?)


いやまさか!
こんな髪明るくなかったし、
こんなにオレ様!って感じじゃなかったよね!


でも…


(期待…してしまう…)


すると

急にステージが輝き出す。


「「キャーーー!!」」


響わたる歓声



(ああ…もうすぐ)



少しの期待を胸に秘めて



NO.1アイドルを決める





ライブが始まった。