びっくりして振り向くと、

「奏(カナデ)ちゃん!」

友達の「織田奏(オダ カナデ)」ちゃんだった。


「もう!びっくりした!」

「だって〜!嬉しくて!」

「ありがとう!奏ちゃんも、特別賞おめでとう!」


「いやいや!滑り込みって感じ、っていうか”男性アイドルのステージ衣装”
ってテーマで結衣に勝てる子、いなくない?」

笑いながら言う奏ちゃん。


わたしたちファッションデザイン科の出し物は言うまでもなく


「ファッションショー」


自分たちの作った洋服でファッションショーをして、No.1を決める。


今年のショーのテーマは、


「男性アイドルのステージ衣装」


九重くんと「二人だけの約束」をしてから、男性アイドルのステージ
衣装の研究をし続けたわたしには、負けられないテーマ。


「いや、みんなよかったよ、本当に僅差って感じ。」


「またまたお世辞を〜
結衣だけ圧倒的にクオリティが違ったもん!勝てない!って
みんなショーの前から泣いてたよ!」

「あはは…そうなんだ…」
知らなかった…
ごめん、みんな…


ホールに向かいながら奏ちゃんと話す。


「これでまた、アイドル科の結衣へのスカウト増えちゃうじゃん〜」


「そうかな…」