「デザイナーとしても、だけど…オレは…」

聞き取れないくらい小さな声でささやく

「えっ…」

九重くんが離れていく

「なんでもない。待ってろよ、佐倉…」

「うん…」



夏休み、

誰もいない校舎で


二人だけの約束をした。







これが、1年前、



この日から



九重くんとはーー



一度も会えていない。