「確かに球が重いとスピードが出てピンは倒れやすくなる」
「……うん」
「でも、さっきの呉羽を見てると重すぎて投げるっていうより落としてるような感じだったから、軽い方がコントロールできると思うよ」
私が落ち込んでることに気づいて声かけてくれたのかな……?
「門奈くんありがとう。みんなの足引っ張ってたからどうしようかと思ってたんだ……」
「逆に下手なのがいる方が燃えるからいいよ」
「えー?って、今下手って言ったよね!本音出ちゃったよね?!わかっててるけどグサッときたよ……」
「あ、つい。悪い悪い」
門奈くんは謝りながらも目が細くなるほど笑った。
その笑顔に釣られて、私も一緒に笑ってしまった。