瀬那先生は私のもう片方の手首を掴み自分の方へ引き寄せる。



自然と私の顔は瀬那先生の顔へと近づき……あと少しでキスしてしまいそうなほど2人は近くなった。



「ほら……誘惑、するんだろ?」



ニヤリと笑う……余裕たっぷりの瀬那先生。



この人の余裕がなくなるときっていったいどんなときなんだろう。



本当は、瀬那先生の薄い唇に勢いに任せてキスしてしまいたい。



「今日は、誘惑休憩中です……」



さすがに、学校の誰がいるのかもわからないこのホームで瀬那先生とイチャイチャできるほどの勇気を私は持ってはいない。



瀬那先生の腕を振りほどき……瀬那先生と距離をとるため、私はベンチから立ち上がった。