「からかってくるのは瀬那先生の方じゃないですか」
「俺がいつ、からかった?」
「いつもですよ。私は冗談なんて言いません」
「……じゃあ、本気で誘惑してみな?」
ここで⁉︎
「なんで……っ」
「呉羽さ、誘惑って意味わかってんのか?」
「……」
「こういうこと、すんだよ」
瀬那先生は私の手首を掴み、自分の首元をゆっくりとなぞらせた。
私が瀬那先生を触ってるのに、100%私の方がドキドキしてるのがわかる。
瀬那先生の素肌から伝わる体温が、やけにリアルで……。
思わず、呼吸することを忘れてしまいそうだった。
「こんなので照れてたら、誘惑なんてできないよ」
「え?ちょっ、せんせ……っ」