突然のイケメンのドアップに心臓が止まりそうになり、反射的に顔をそらしてしまった。
ダメだよつむぎ。
こんなときにドキドキしちゃダメ……!
「その態度はさすがに傷つくなぁ」
「……他にキャーキャー言ってくれる女の子たくさんいるじゃないですか」
「なんだ、今日はめずらしくツンツンキャラか?」
頑張って瀬那先生への気持ちを奥に押し込めないと、今すぐにでも溢れ出てしまいそう……。
門奈くんの気持ちがよく分かる。
好きな人の近くにいると、早く好きって言ってスッキリしたい気持ちと、今の関係を保つために言いたくない気持ちの両方で頭の中がごちゃごちゃになる。
好きって言ってしまいたい。
でも、振られるのはわかってる……。