倒れ込んできた私を守るために瀬那先生はホームに尻もちをつき、私は瀬那先生の上に乗っかってしまった。



プシュー……と電車の扉が完全に閉まる音がして、投げ出された私たちを置いて電車はそのまま発車してしまった。



「瀬那先生っ、ごめんなさい……っ」

「俺は大丈夫。呉羽はケガないか?」

「私は大丈夫です」



急いで瀬那先生から離れた私。



こんなときでも自分より私の心配をしてくれる瀬那先生。



「とりあえず、次の電車来るまでここで待ってよ」



瀬那先生は近くのベンチに座り、自分の隣をポンポンと叩いた。



私はご主人様に呼ばれた飼い犬のようにしっぽを振って瀬那先生の隣に座った。