生徒……か。

これがきっと、私じゃなくても守っていたんだよね。



そんな当たり前のことを考えて、1人で落ち込む私。



「そろそろ戻るか」



瀬那先生のその一言で、私たちは社会科室を出ることにした。



瀬那先生と一緒に廊下を歩いていて思ったけど、本当に瀬那先生は女の子たちにモテるんだなぁと。



どの教室の前を通っても女の子たちが瀬那先生に声をかけてくるし、私は視界に入っていないのか、私を押しのけるように瀬那先生にべったりとくっつく女の子たち。



……これはもしかしたら、私は初めての恋にしては、なかなか厳しい戦いに申し込んでしまったのかもしれない。



目の前に現れる女の子たち全員がライバルかと思うと、早くもめまいがしてきそうだった。