「門奈くん陸上部なんて入ってたっけ?」

「入ってないんだけど、秋の初めに大会があるから長距離だけでもいいから出てくれないかって友達に言われちゃってさ……」



それで門奈くんは陸上大会に臨時で出場することになったらしい。



「ミーティングあるみたいだから、俺もう行くな。またな!」



門奈くんは持っていた資料を瀬那先生に渡し、男の子と一緒に走って行ってしまった。



私と瀬那先生で社会科室へ入ると、奥に1つの扉があり、それを開けるとそこには資料がたくさん並べられていた。



資料が乱雑に置かれ、少しでも振動与えれば今すぐにでも崩れ落ちてきそう。



そっと資料を置き、私はこの部屋を出ようと一歩を踏み出した……。



その瞬間、無理やり棚に押し込まれていた資料が私めがけて落ちてきた。



運動音痴な私が避けられるはずもなく……瀬那先生は私をかばうように盾となってくれた。