「はぁい」
転校生は、男にしては少し高い声で返事をし、黒板に自分の名前を書き始めた。
少し丸まっている書体。
『赤城 忍』
名前を書き終えると、転校生は皆の方を向き、ふわりと微笑んだ。
一重の細目で、色白。桜色の薄い唇。
とびきりの美男子、というわけじゃないけど、優しげで、ふわふわとして、穏やかな雰囲気が快い。
「はぁい、皆さん初めましてぇ。
赤城 忍(あかぎ しのぶ)と言いまぁす。
先週、アメリカから引っ越してきたばかりです。
これから仲良くしてくださぁい」
語尾を伸ばした話し方。
本当…、女性的な雰囲気だな。
転校生の赤城さんに、皆はパチパチと拍手を浴びせた。